どさくさに紛れて珈琲豆焙煎
毎日、毎日、ニュースはコロナ!コロナ!コロナ...。だんだん気持ちが萎えはじめたので、景気づけに長年やってみたかった珈琲豆の焙煎に挑戦してみた。まずはネットで生豆を注文。お試しでコロンビアを500g購入した。
さっそく、届いた小包を開封。焙煎する前の生豆は白っぽい。
すでに業者が粗雑な豆をある程度はハンドピックしてくれているらしいのだが、豆を広げてさらに自分でも汚い豆がないかチェックをする。そもそもどういうものが粗雑なのかは初心者には判断しにくいけれど、欠けているもの、変色しているものをなんとなくはねのけておいた。
さぁ、次は焙煎する道具が必要。ひとまず、今回は家にあるフライパンで焙煎することにした。基本的に私はあるものでなんとかしたいと考える方。リッチだったら、道具もポンっと買っちゃうのかもしれないけれど。「なければあるものでできる方法を考える」。そんな時間もそれなりに豊かなのですよ。以前、豊島にある「てしまのまど」喫茶部が中華鍋で珈琲豆を焙煎していると聞いたことがあったので、それなら、フライパンでもできるかもと調べてみたら、いくつか実験例が出てきた。コツはいりそうだけど、やってみることはできそう。
部屋で焙煎すると煙が充満しそうなので、ベランダにアウトドア用の机とコンロをセットして焙煎することにした。豆は200gを使って試してみる。準備ができたら、まず、表皮を取り除くため、珈琲豆を熱湯で洗う。確かに少しだけ薄皮が剥がれてきた。洗ったら、豆をフライパンに移して点火。蓋をして中火で蒸し焼きする。3分経ったら蓋を取り、焼きムラができないように木ベラで混ぜていく。最近、このフライパンは普通に調理していても、焦げやすくなってきたのでちょっと心配。5分ぐらいしたら1回目のハゼが起こる。ハゼというのはパチンと豆が爆ぜる音のこと。なかなか、ハゼが起きずに苛つきそうになったころに「パチっ」とハゼが無事起こった。焼き続けているとチャフが出てくるので、口でふぅっと吹いて飛ばす。そして、さらに炒めていると2ハゼが起こるらしい。小さくパチパチ音がしたものの、いったいどのタイミングで終わらせたらいいのか悩んだ。
どう見ても白いままの生豆、部分的に焦げ過ぎた豆が混ざり、焼きムラが激しい。やっぱりフライパン焙煎は難しいのだろうか。焦げている豆も出てきたので、浅煎りでもいいかと、火を止める。余熱で焙煎が進んでしまうので、すぐに冷やす必要があるらしく、ドライヤーの冷風で冷ました。意外とドライヤーは重宝する。洗濯して干そうとしている靴下しかもうない!でも、もう仕事に出ないといけない!そんな時に、ドライヤーの口に靴下をはめて、高速乾燥をよくさせていた。旅館に勤めていたころ、先輩に教えてもらった技だ。出勤前の朝によくお世話になりました。さて、冷めたら、焼いている間に出たチャフをさらに落とすため、網目の荒いザルに珈琲豆を移して、振り落とす。サヨウナラ、チャフ!
焙煎した珈琲豆はひとまず一晩寝かして、翌日試しに少しだけ淹れてみた。豆を瓶から取り出すと、いつもなら香ばしい、いい香りが部屋中に広がるのだが、なんの香りもしない。豆を挽こうとすると、なにかひっかかりが悪く、挽きにくくて途中で断念。もしかしたら、芯まで火が通っていなくて、それが挽きにくい原因だったのかもしれない。挽いた少量の豆で無理やりドリップをはじめてみたが、やっぱり香らないし、挽いた豆が新鮮だとお湯を注いだ時に豆のガスが抜けて起こるプクプクもほぼ起こらない。これはおかしい。恐る恐る飲んでみる。「......まずっ!」思わず声が出た。これでは飲めそうにないので、再焙煎することに。もう一度、パチパチ音がするまで焙煎し、冷まして瓶で寝かせる。 4、5日後にもう一度、ドリップしてみよう。さぁ、どんな味がするかなぁ。
どんな道具を使うか、どの産地の豆にするか、焼き加減をどうするかなど様々な掛け合わせによってきっと淹れた珈琲の味が変わるから面白い。毎日が同じように続いて退屈に感じる時も、日々のルーティンの掛け合わせを変えたらちょっと新鮮な風が吹くのかもしれないな。
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